本

ブログ

ブログ BLOG

ブログ

月刊 新医療 6月号に掲載いただきました!
月刊 新医療 6月号に取り上げていただきました!
掲載内容を載せさせていただきますので、是非ご一読くださいますと幸いです。




第119回 
閉塞市場の「すき間」で ビジネスチャンスを探せ

他業種から学ぶ病院サービスのあり方 
経済評論家 西村 晃
1958年生まれ、早期大学、NHK、テレビ東京 殺で済評論家、マーケティングの第一人者として、 講演やセミナーに活躍、著書多数。


 時代の変化を見抜き、新しいビジネス モデルを構築することは、どんな時代にも重要だ。
今回は昔からある古いビジネスを時代に合わせた新しいビジネスに転換しようとしている。一例を紹介する。
 「古物商」という呼び名は、いかにも古めかしい印象を持つ。
廃品回収業、あるいは古本屋業、質流れ品販売といった事業もこのジャンルで括られる。
  全国に60店余りを展開する「ネオスタ ンダード」は、創業15年の古物商。
これまでは関東地方を中心に、主に中古品の ブランド品や高級時計、宝石などを買い 取るビジネスを展開してきた。
この企業を、M&Aにより買い取ったのが後藤光さんだ。

 「これまでのビジネスモデルをさらに進化させて、新しい時代に合った仕組みを構築しようと考えました。」(後藤さん)
 後藤さんが率いる「ネオスタンダード」が新しく考え出したビジネスは、「遺産相続や、老人ホームなどへの転居の際の資産整理」である。
 「高齢社会化により注目が集まっている、生前整理・遺品整理の仕事です。
当社はこれまで買取専門店で培ってきた目利きを活かし、適正価格を算出して買い取りを行うことができます。
素人の方にとっては価値がないと思われるものでも、プロの鑑定眼で適正価格を割り出します。
一方で、整理する品々にかかる廃棄費用を割り出し、買い取り商品の価格と相殺することになります」(後藤さん)
 家財道具を整理して、廃棄費用が上回るか、あるいは買取費用が上回るか、プラスとマイナスを計算してお客に提示するわけだ。
これまでのビジネスは買うだけ、あるいは廃棄物を有償で引き取るだけという形が多かったが、両方の機能を提案するところに、この会社の強みと新しさがある。

 「ネオスタンダード」の新規ビジネスに注目したのが、リバースモーゲージを展開する
金融機関や、資産運用を提案する証券会社だった。
リバースモーゲージとは、存命中に金融機関から生活資金を不動産を担保に借りて、死亡後にその不動産を引き取ってもらうという資産設計のことが。
死亡後、土地や家は金融機関の所有になるが、金融機関にしてみれば家財道具などを整理する必要があり、「ネオスタンダード」のようなビジネスモデルが必然的に必要になってくる。
また、遺産整理などをテーマに富裕層向けの証券会社の講演会でも、後藤さんはこのところ講師を務める機会が増えたという。

 「おかげさまで各地で満員の盛況を頂いており、このテーマへの関心の高さが伺えます。遺品整理業者の選び方など参考になった、人生に一回のことで備えあれば憂いなしだと思った、といった感想を頂戴しています。」(後藤さん)
高齢社会というトレンドを的確に捉えてビジネスモデルに転換することにより、新しい成長のきっかけをつかむ。日本は閉塞市場というけれど、「すき間(ニッチ)はまだたくさんある。」

 マスコミはこういうベンチャーの成長を「ニッチ産業」と報じるが、底にはどこか「所詮はすき間でちっぽけなビジネス」という冷たい視線があるような気がする。
しかし、すき間というのは掘ってみれば意外に広いものなのだ。
 10分1000円のヘアサロンも、10分100円のコインパーキングも、また、近年、雑貨屋集積百貨店として外国人にも大人気の「ドン・キホーテ」にしても、最初は「すき間産業」と言われたものだった。
しかし、その後の発展は周知のとおりである。

 「すき間」だからちっぽけと思いこんでいた人は、実はその広さや深さに気が付いていなかっただけではないのかという気がする。
総合病院に行くと、受付などを専門に扱う人材会社、24時間営業のコンビニ、そして駐車場はコインパーキングの会社と、多くの「すき間産業」が支えていることに気が付く。
 医療の周囲には、まだまだ「すき間」がありそうだ。

一覧に戻る